シベリア鉄道といえば、ロシアの最東端『ウラジオストク』から、首都・モスクワに向かって、シベリア地方を横断する『ロシア号』が有名です。
一方で、中国は北京を出発し、モンゴル、ロシアと3つの国をまたぐ、ちょっぴりスリリングな、もう一つのシベリア鉄道は日本ではあまり知られていません。
今回はそんな、ちょっとだけ影に隠れたシベリア鉄道『国際列車03号(K3)』について、私が実際に体験した情報をまとめてみました。
シベリア鉄道とは
シベリア鉄道とは、ロシア国内南部を東西に横断する鉄道のこと。全長9,297kmの、世界一長い鉄道路線です。ーWikipediaより
モスクワーウラジオストク間を結ぶ7泊8日の「ロシア号(1・2列車)」を中心に、中国やモンゴル、北朝鮮へ分岐する様々な路線が運行しています。
今回私たちが乗車した『国際列車03号(K3)』は、中国は北京から、モンゴルを経由して5泊6日かけてモスクワへ、3国をまたぐ、欧米では人気の路線だそうです。
車両は、2部屋の1等車(高級車)と4人部屋の2等車(普通車)にわかれ、ロシア国内ではロシア人専用の客車が増設されます。
そのため、私たちが乗車した際には、時々巡回しにくるロシア側の車掌さん、国境警備隊を覗いて、ロシア人と交流することはほとんどありませんでした。
出発は北京駅から
北京駅の朝6時半頃の様子です。
駅員さんにチケット&パスポートを提示後、荷物検査&身体検査を受けて中へ入るシステム。
入ってすぐの大きな広場、正面には電子掲示板が設置されています。
中国語&英語の案内に従って、記載された待合室へ移動しましょう!
食料は現地調達可能!
待合室に併設されたコンビニです。
お水はもちろん、パンや果物、カップ麺にお菓子までわりとなんでも揃います。
私たちは、日本から”ドライフード”を持ち込みましたが、
荷物が増えるのが嫌であれば、駅で購入するのも有り!
乗車時は切符とパスポートを提示
出発は【7:27】でしたが、7時前にはホームに入ることができました。
各車両に配置された中国人車掌さんに、パスポートとチケットを提示して中へ。
この時、チケットは一旦回収されましたが、終点モスクワで返却されました。
エアコンはある?国際列車03号(K3)の設備
こちらは、私たちが乗車した2等車3号室(4人部屋)の客室を360°カメラで撮影したものです。
シベリア鉄道K3の内部を360度カメラで撮影した画像です。 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
部屋のど真ん中には、 小さいけどパワフルな扇風機がひとつ。
エアコンはありません。
荷物は、座席の下、または天井近くの収納スペースへ。
ほとんど2人部屋状態だったので、3日も経てばこの通りです😌
シーツは乗車後に配布されます。
廊下はこんな感じ。
一部の窓は開閉可能です。
列車が走っているときは、風が心地よくて最高。
ただし、モンゴル・ゴビ砂漠では砂ホコリが入ってくるため、開閉不可。
6月の時点で汗をじんわりかいていたので、夏はちょっと地獄かも。
普通車にシャワーはありませんので、汗ふきシートは必須です。
ちなみに、偶然乗り合わせた日本人のエイジくん(@eiji_0821)に撮影させていただいた、1等車(2人部屋)はこちら。
シベリア鉄道の1等車の様子 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
専用クローゼットや電源コンセントはもちろん、2部屋に1つの共同シャワーが設置されていました。
ただし、冷たい水しか出ないそうです。
カップルや友達同士での卒業旅行は絶対こっちがオススメ!
国際列車03号(K3)の時刻表 ※2018年6月時点
こちらは、1号車で発見した国際列車03号(K3)の時刻表です。
中国国内では北京、モンゴル国内ではウランバートル、ロシア国内ではモスクワと、3つの地域の時間で記載されています。
列車が駅に停車している間はトイレが使えなくなるので、早めに見つけておきましょう。
カップ麺やドライフードは給湯器で
各車両についている給湯器。
黒いレバーを引っ張ると、お湯が出てくる仕組みです。
車掌さんがお水を補充しているらしく、時々ぬるかったり、出てこなかったりもありました。
が、基本的には24時間使えます。
こちらは、お湯でほぐしたドライフード。
1週間カップ麺はしんどい…って人にオススメ。
なかなかおいしかったです。
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バラエティパックもあったよ!
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使用済みの食器やマグカップは、給湯器そばにある炊事場で水洗いできます。
車内の電源コンセント事情
2等車の電源コンセントは、廊下に等間隔で設置されています。
ただし、電圧がちょっと弱いせいか、ミラーレスカメラの充電器が反応せず…。
困っていると、車両の端っこ(1号室のとなり)にある汚れ置き場(?)の電源コンセントを使わせてもらえました。
トイレ
いちばん大切なトイレは、車両の前方・後方2箇所に設置されています。
便座の下にあるペダルを足で踏むと、トレイの底が開き、流れてきた水と一緒に、排泄物はもちろん、トイレットペーパーもまるごと線路に落ちる仕組み。
駅に近づいたときや停車中は、駅周辺を汚さないようにするため使えなくなります。
トイレットペーパーは、あったりなかったり。
紙質も硬いので、お尻が心配な人は愛用しているトイレットペーパーを1ロール(2人なら2ロール)持参するのが吉。
衛生面が気になる人は、お尻はもちろん便座にも使えるお尻拭きを1パック用意しておくのもオススメ。
モンゴル・ゴビ砂漠の影響で、窓枠にたまった砂埃も拭き取れるし、ご飯前に手もふけるし、最高です。
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高くてまずい?シベリア鉄道 食堂車の様子
あまり良い評判は聞かない、シベリア鉄道の食堂車。
しかし、北京ーモスクワ間の3国を駆け抜ける国際列車の食堂車は、国ごとにまるっと入れ替わり、それぞれで違ったメニューを楽しめる、旅の醍醐味だったりします。
1日目ー中国食堂車
1日目の中国食堂車では、乗車後に突然現れた食堂のおばちゃん(?)が配布する、無料食事券を利用します。
券に指定された時間に食堂車を訪れると、すでにごった返。
シベリア鉄道 中国食堂車の様子。 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
出された料理はこちら。
無料なので、味もう〜んといった感じ。
席が空いていない場合は、入り口で待機するはめに…。
列車によっては、お弁当にしてくれるようです。
2日目ーモンゴル食堂車
2日目は、モンゴル食堂車。
これまた突然現れた食堂車のおばちゃんに「◎時に来て」とディナー時間を指定されます。
中国とは違い、有料です。
そのせいか、丁度よい良い感じの人口密度。
シベリア鉄道モンゴル食堂車の様子 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
温かみのある木造の装飾が素敵でした。
メニューは指差し注文。
チキンソテーと、羊肉…??
しっかり味付けされていて普通においしかった。
が、二人で3000円ぐらいと聞いていたとおり、ちょっと高め。
私たちは中国元で支払いましたが、モンゴルトゥグルク・ロシアルーブルも使えます。
お水やコーラなどのジュース、アルコール飲料も購入できます。
飲料が不足してしまった場合は、食堂車で購入することも可能。
3日目〜最終日ーロシア食堂車
3日目は、突然食堂車のおばちゃんが現れることもなく、いつの間にか入れ替わっていました。
シベリア鉄道 ロシアの食堂車 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
ブルーの配色がとっても素敵。
メニューは、ロシア語と英語、時々中国語の付箋が貼り付けられています。
さっそく、ロシア名物ボルシチとブリヌイ、スモークサンドを注文。
全体的にちょっと小さめだけど、これまた普通に美味しい。
特に、人生初のボルシチは、ニガテな酸味も少なく食べやすかった。
他のお店で食べたボルシチより、こちらが好き。
このメニューに、ドリンクを合わせてこれまた2人で3000円ぐらいとやっぱりちょっと高め。
もう一度ブリヌイが食べたい!と最終日にもおとずれましたが、ほとんどのメニューが品切れしていました。
代わりのがっつりメニュー。
これも普通に美味しかったと思う。
もう2ヶ月前だから記憶が曖昧…。
デザートに書いてあった「チョコレートアソート」を選ぶと、ロシアみやげの代名詞「アリョーンカ」が登場します。
「この中から選んで」と5種類出され、
チョコにチョコをはさんだ斬新なやつを選びました。
帰国する際、おみやげにと探しましたが、シベリア鉄道を最後に見つけることができず…。(T_T)
乗車後の水・食料調達方法
乗車後の水や食料調達には、食堂車または停車駅にある売店を利用します。
こちらは、ロシア国内の停車駅にあった売店の様子。
真ん中にある小さな窓口を通して、欲しい商品を口頭で伝えるシステムです。
しかし、窓口のお姉さん英語は全く通じません。
私たちは、欲しい商品をスマホで撮影して見せたり、窓口近くにある商品を指差して購入しました。
お会計時は、電卓で料金を教えてくれます。
こちらは別の駅の売店です。
お店の外にある冷蔵ショーケースには、お水やコーラなどの飲料水が並んでいます。
自由に飲み物を取り出せるように見えますが、実際には売店の中にいるお姉さんがリモコンのボタンを押さないと開けられない仕組みです。
こちらの冷蔵ショーケースも同様。
無理に開けようとすると怒られますのでお気をつけて。
その他
両替について
両替について、先にシベリア鉄道を体験した人のブログには、「両替商が現れた」とか、「両替所は無いと言われた」など、さまざまな記述が見受けられました。
しかし、明確な情報は見受けられず…。
不安だったので、日本で事前に中国元・ロシアルーブルを両替して持ち込みました。
www.no9-labo.com
実際に乗車してみて思ったのですが、国境を越えるのはほとんど真夜中。
国境駅に両替所が設置されていたとしても、中国・エレン駅意外、列車を降りるタイミングはありません。
また、実際降りれたとしても、両替所が開いている可能性は低いのではないかと思います。
現地のお金が無くて困ったエイジくん(@eiji_0821)は、ルームメイト同士で外貨両替を行っていたそうです。
私たちは、もう使わない中国元を日本円に交換してもらいました😊
歯磨きやスキンケア
歯磨きや洗顔は、トイレに設置されていた洗面台を利用しました。
飲料水としては使用できませんが、歯磨きぐらいであれば大丈夫そう…(多分)。
普段は、エスティーローダーのリキッドファンデーションにマスカラ、Excelのアイブロウにビューラー、キャンメイクのアイシャドウ、オペラのリップと、しっかり化粧をする私ですが、
シベリア鉄道乗車時は、肌に何もつけない宇津木式を実践。
といっても6月は白夜です。
シミ持ちの私としては、ちょっと日差しが気になるので、ノンケミカルの日焼け止めを使用→寝る前に水で落とすを繰り返していました。(ただし持っていったのは”普段の洗顔料で落ちる”のユースキン。)
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また、ロシア入国後は朝の気温が15度前後と少し冷え込み、乾燥していたので、時々フェイスパックも使用しました。
シベリア鉄道を降りてからも、ロシアを経つまでの1周間は、日焼け止め+アイブロウ、ロシアで購入したウォータークレンジング(洗顔なし)、フェイスマスク(乳液・クリームなし)と、最低限のメイク&スキンケアを行いました。
結果、”何もつけない”はちょっと無理だったものの、心なしか肌がすべすべに…。
普段のメイク&クレンジングがどれだけ肌にダメージを与えているかちょっとわかった気がします。
しかし、化粧はやめられない!!!!!
おわり